ある程度の歴史を持つアラブの都市には、ほぼ例外なくメディナが存在する。メディナとは、市街地にある居住区のことで、通常は壁に囲まれ、迷路のような路地を特徴としている。この路地は狭く、場所によっては幅1メートルにも満たない。イスラム教の大預言者は、信者に対し、都市には正義と秩序がなければならないと説いた。そのため、メディナの設計にはイスラム共同体の価値観が反映されており、その中心には噴水、モスクや市場が存在することが多い。メディナの狭く曲がりくねった路地は、外敵に対する盾としての機能も果たした。当然のことながら、メディナに自動車は入れず、オートバイや自転車ですら通るのは容易ではない。