遺産観光は、ナショナル・トラストによって「過去の出来事や先人の営みを忠実に表現している場所、遺物および活動を体験する旅行」と定義されている。まあ、「忠実」といっても程度問題で、過去に存在したまずい食事や赤痢、害虫、トイレの欠如などは除外されている。遺産観光は特にアメリカで流行しており、人々は自分たちの「ルーツ」を知ることで、己の存在意義を確かめようとしている。観光客は博物館のかわりに、実際に動いている鉄道や、戦争を体験できる戦場、実際に使われている農場や牧場、当時の村落を観察する… すべては人々が憧れる過去の時代の再現だ。