いつの世も、文明とは畑を耕して作物を作るものであり、武器を取って戦争を起こすものであり、貴重な (と言うほどではないこともあるが) 鉱物を採掘するものである。有史以前の新石器時代においてさえ、人類はグリムズ・グレイヴス (紀元前4000年) のような鉱脈から燧石を掘り出していた。エジプト人は孔雀石を、ギリシャ人は銀を、ローマ人は錫と鉛を… およそあらゆる文明は、自分たちが欲するものや必要とするものを手に入れるために地面を掘り返しつづけてきたと言える。その動力は、産業革命の到来以前はもっぱら人力であった。掘り方が露天掘りであれ坑道掘りであれ、働くのが奴隷であれ労働者であれ、人の手で振るわれるシャベルとつるはしとハンマーが頼りであったことに変わりはない。歴史上最初の大企業と呼べるもののいくつかは鉱山会社であり、アメリカの西部開拓時代にフロンティアを押し広げてきたのは探鉱者であった。今日では、鉱脈の調査も採掘も製錬も、面倒な作業はすべて機械がやってくれるようになっている。しかし、そうして徹底的に鉱脈を掘り尽くしてはよそに移ることを繰り返した結果、現在ではアメリカ国内だけでも56万以上の廃鉱が存在しているという。