アルカサル (いわば最後の避難所) はアル=アンダルスにあるムーア人都市の多くに見られる城で、大半は紀元8世紀から15世紀にかけて築かれた。ムーア人総督の居城として建設されたものが多く、敵対する勢力はもとより、後年にはさらに厄介なキリスト教徒のレコンキスタに対する城塞として大いに役立った。多数が現存しており、たとえばセゴビア、トレド、コルドバ (かの名高い「キリスト教徒の王たちのアルカサル」) 、ブルゴス、セビーリャのものなどが有名である。セビーリャのアルカサルについて言えば、ここは913年、コルドバ総督の要塞として建設され、11世紀にはアル=ムワラク (祝福の宮殿) として知られる宮殿へと拡大した。キリスト教徒の王フェルナンド3世は、1248年にセビーリャを征服した際にここを王宮とした。もっとも、現在では市内を巡る観光バスの停車先のひとつにすぎないが…