「公共圏」の出現と、18世紀のさまざまなヨーロッパ文明で見られた経済の国家的統合により、人々は自身の帰属する町や地区ではなく、より大きな国家規模での一体感を獲得しはじめた。国家のシンボル、国歌、国旗、神話、伝統が国民の集合的無意識の中でなにかしら尊いものへと昇華されたのだ。アメリカとフランスで起きた独立と革命の衝撃は、人々の愛国的ナショナリズムを刺激し、こうした傾向に拍車をかけた。プロイセン生まれのヨハン・ヘルダーはこうした思想の先駆者であり、各人の血統、言語、文化に対する生得的な誇りを意味する「ナショナリズム」という言葉を生みだした。そしてナショナリズムは数多の戦争を招き、行き過ぎた愛国心を新たな段階へ導いたのである。