国家首脳の会談は、現代でも古代でも、当事者同士が同じテーブルについて話し合うというだけのものではない。その背後には、大使や領事、補佐官、通訳といった人々によって構成された巨大なネットワークが存在しているのだ。こうした人々が働くには、そのための場所が必要となる。ワシントンD.C.ではマサチューセッツ通りの一画が、まさにこうした外交に特化した場所として機能している。この通りには豪華なものから控え目なもの、古いものから真新しいものまで、さまざまな国の旗を掲げた建物が立ち並んでいる。同様の地区は、ほとんどの国に存在している。代表的なものとしてはソウルの梨泰院 (イテウォン)、北京の朝陽区 (チャオヤン)、パリの7区、ナイジェリアの首都アブジャの独立通り、憲法通りなどが挙げられるだろう。外国の指導者はこうした外交街を訪れ、議論し、自国の窓口を置く。また、外交街は外国人のためだけに存在するわけではない。ここは大学の海外キャンパスやシンクタンク、ロビー活動のための事務所が集う場所であり、飲食や娯楽、さらにはスパイ活動や防諜の中心地でもあるのだ。