海を制したければ、圧倒的な武力で敵に挑め。これがマジャパヒトの誇る巨大帆船、ジョングの設計思想だ。この船の大きさと戦闘力があったからこそ、マジャパヒト王国はジャワの海を支配することができたのである。
マジャパヒトの船が中国のジャンク船と異なるのは、第2の舵を備えている点である。この2つめの舵により、600トンの巨体をすばやく、それでいて容易に操ることができたのだ。操作性におけるジョングの特徴はこれだけではない。風が弱いときでも、ジョングは櫂を使って船を動かし、敵の攻撃が届かないところまで退却したり、海上の障害物を避けたりすることができたのである。
おもに交易船として用いられたが、本来のジョングは軍用輸送船であった。その巨体は見かけ倒しではなく、4層の木造マストは大砲の攻撃から船を守る役割も果たしたし、攻撃に対しては圧倒的な数の大砲で反撃することが可能だった。