20世紀初頭、ブラジルが列強に伍する戦力を確保するための第一歩として建造されたのが、常備排水量19,281トン、満載排水量21,200トンの巨体を誇る2隻のミナス・ジェライス級戦艦である。ブラジルを期待どおり強国にするという目的は果たせなかったものの、1番艦ミナス・ジェライスと2番艦サンパウロの竣工は南米諸国の海軍が軍拡競争をはじめるきっかけを生み、アメリカとイギリスにとっても大きな関心事となった (どちらも自分たち以外の国が保有する戦艦が南米の海に存在することを快く思わなかったのだ)。もともとブラジルには2年の月日をかけた新型戦艦の設計案があったのだが、1906年に進水したイギリス海軍のドレッドノートに対抗するため、計画はいったん白紙に戻されることになる。そして新たな設計にもとづいて建造され、1908年9月に進水を迎えたのがミナス・ジェライスであった。翌年4月にはサンパウロも進水したが、残念ながら2隻とも華々しい活躍の機会には恵まれることはなく、特筆すべき戦果としては、数度の反乱鎮圧において主要な役割を果たした程度である。ミナス・ジェライスは1950年に解体され、一方のサンパウロは1951年に大英鉄鋼公社に売却されたものの、解体のために曳航されていく途中、嵐によって牽引索が切れ、そのまま行方不明となってしまった。