ソウルを中心とした地域には旧石器時代から人が定住していたが、公式に都市として成立したのは、紀元前18年に百済がこの地に首都である慰礼城を築いた時である。やがて百済は小さな州から古代三国の1つにまで成長し、他の2国とともに西暦1000年頃までの期間の大半を朝鮮半島の支配者として君臨しつづけた。時とともにソウルは政治、文化、商業によって活況を呈する大都市となっていった。
最終的に古代三国は1つに統合され、西暦1394年には新国家の首都がソウルへ移された。都市の周囲には盗賊や熊などの恐ろしい大型動物 (蛮族も含む) を撃退するための巨大な防壁が築かれた。1800年代後半、ソウルはその門を開き、極東に進出してきた西洋人を受け入れることで急速な近代化を果たした。実のところアジアで初めて電気、水道、電話が通った都市はソウルなのである。
しかしこれは驚くべきことではない。というのも、ソウルは何世紀もの間、技術発展の中心地だった。行政大臣のチョ・ユンイがサンギョン・イェムンを50部印刷するために可動式の金属活字を発明したのは西暦1234年のことであり、グーテンベルグが同じ発想に思い至るよりもはるかに前のことだ。李朝時代には水時計、眼鏡、雨量計など、多くの巧妙な装置が発明された。1442年、7つの天体の運行の計算をまとめたチリョンサンによって天文学の進歩が頂点を極めた。そして、1860年代には世界初の防弾
チョッキが発明され、朝鮮軍に恩恵をもたらした。
ソウルにはサムスンやLGなどの企業が本拠を置き、技術の進歩は今も鈍っていない。2008年に韓国は研究開発への投資額で世界5位になり、その中心はソウルだった。電子工学、コンピューター、ロボット工学、再生可能エネルギーなど多くの分野についてソウルでは最先端の研究が行われ、新たな発見が次々となされている。