火薬、爆撃機、はては核ミサイルによって無用の長物と化すまで、防壁は街の安全にとって重要な役割をはたしていた。押し寄せる蛮族から住民とその財産を守るには、強固な防壁が不可欠だった。知られているかぎりでは、シュメールのウルクが、防壁で囲まれた世界最古の都市であり、その壁は神話の王ギルガメシュによって築かれたと言われている。また、コト・ディジなど、インダス文明の街のいくつかにも、石とレンガによる巨大な防壁が築かれていた。一方、強力な軍隊が存在すれば防壁は必要なく、実際、スパルタやローマなどは数世紀にわたって防壁を築くことがなかった。今日いくつかの街にはこうした防壁が残っているが、無視されるか、せいぜい「地元の特色」くらいにしか思われていない。