美術館あるいは博物館とは、市民が財源を (通常は税金という形で) 負担して運営される公共施設であり、大衆の啓蒙のために美術品の収集や公開をおこなうことを目的とする。美術品の種類は多岐に渡り、絵画、彫刻、陶磁器、金属工芸品、印刷物、映像作品などさまざまである。このように大衆が高尚な文化に触れる機会を設けようとする試みの中で、おそらく史上初の美術館と呼べるのは、1671年に設立されたバーゼル美術館だろう。しかし、一般大衆の教化を目的とした美術品の収集というアイディア自体は、カピトリーノ美術館、バチカン美術館、ウフィツィ美術館などが開設されたルネサンス期にまでさかのぼることができる。その後、1700年代になると、エルミタージュ美術館、プラド美術館、ルーヴル美術館、そしてアメリカ初の博物館であるチャールストン博物館など、多くの有名な美術館や博物館が新たに開設された。このうちルーヴル美術館が設立されたのは、フランス革命直後の1793年のことである。革命によって、それまで王室が所有していた美術品のコレクションは民衆のものであると宣言され、そうして金持ちに独占される日々から解放された美術品の数々は、今度は美術館で美しく展示され、ポカンと口を開けた大衆に見つめられる日々を送ることになったのだった。