マドラサは独立した教育施設であるが、しばしば宗教的な要素も備えている。ここでは主に医学、法律、科学、哲学、宗教といった学問が教えられ、女性の教育もおこなわれている。また論理学や世界史、外国語、数学、美術、比較文学などを教える場所もある。最初のマドラサであるアル・カラウィーンは、西暦859年に裕福な商人の娘であるファティマ・アル・フィリによって創設されたと言われている。ファーティマ朝、アイユーブ朝、マムルーク朝の時代には、エジプトや中東に散らばっていた力と富を持つ権力者がマドラサを後援していた。そして1331年にはオスマン帝国による最初のマドラサがイズニクに設けられ、イスラム教スンニ派の伝統が引き継がれることになった。ヨーロッパが暗黒時代に苦しむ中、トルコ人やアラブ人はマドラサを作って古典時代の叡智を保存し、それを土台として創意工夫を重ねたのである。